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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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10.30(土)読了
法律漫画。行政書士を題材とした社会派漫画、といった大げさですが、内容はなかなか面白い。「ナニワ金融道」の作者が監修しているといったら作風などが分かるのではないでしょうか。

弁護士を題材とした作品は多いですが、行政書士というのは漫画界初の題材ではないでしょうか。法律家には司法書士、税理士、裁判官や検察官などが大きなところですが、行政書士とは……渋いですね。

行政書士の仕事は主に官公庁に提出する書類の作成です。そのため「代書屋」と昔から呼ばれていて(蔑称?)、法律家というよりも事務屋といった性質が大きい仕事です。最近では弁護士の数が大幅に増加してきて、ただでさえ過当競争の激しい行政書士の仕事を食い詰め弁護士が奪ってきたりもしているようです。そのため行政書士の資格を持っていても、独立はおろか企業内部でもあまり評価されないのが実態のようです。合格率は5%と超難関の部類に入りますが、試験そのものは割と簡単です。実際、3ヶ月程度の勉強で合格するのは特に珍しくありません。(日商簿記2級よりちょっと難しいくらい)

それにしても、主人公の男性は熱血漢です。もっと言えば、青臭い。その青臭さがまたいいんですね。やっぱ主人公はそうでなくちゃ、と思わせるような行動が多くて、印象は良いです。続きが楽しみだ。

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10.29(金)2読目
霊界の住人、シルバーバーチの霊言集。いわゆるスピリチュアル本です。
シルバーバーチ(白樺)は、なんでも3000年ほど前に人間に転生し、その後は霊界から地球に向けて霊言を発しているとのことです。彼はあまりにも霊格が高すぎて、人間界に言葉を伝えるためにアメリカインディアンの霊を中継として使用しているとのことです。2重電話で話をしているようなものですね。

内容はなかなかよいと思います。筋も通っているし、それなりに共感できるところも多いです。これが1940年代の内容をまとめた本だというから驚きです。その時代にもこんなに質の良い交霊会があったのですね。すばらしい。

スピリチュアル関係の古典的傑作だと個人的には思います。
まだ読んだことがなくて、スピリチュアルに興味のある方はぜひ一度手にとってみてください。感動されること間違いなしです。

10.27(水)読了
戦争物マンガ。
アフガンやチェチェンなどで元自衛隊員がハデにドンパチやって、はでに人間が死んでいきます。そしてその描写がかなりエグい。腸などの内臓がぞろりと流れ出て、脳味噌が吹き飛んでいます。絶対にアニメ化できないマンガだと再認識。R15指定にすべきかなとも思います。

内容は面白い。ゴルゴ13を戦闘に特化した形といえば伝わるかな。アダルトが読んで楽しい内容になっています。それにしても、戦闘に参加する理由が借金返済のためというのが、なんともリアルというか……。生命張ってるのだからさぞかし実入りも良いのでしょう。ほんとにいつ死んでもおかしくない状況だから。こういうのって、なんか憧れる。いや、生命張る仕事って意味でね。

図書館には2巻までしかなかったのですが、3巻以降も刊行されているのでしょうか? もしあれば予約してでも読みたいマンガです。おすすめです。
10.25(月)読了
借金を背負った元自衛官をリクルートして国益に沿った戦闘行動を行わせるというフィクション漫画。
ちょっとちゃちいかなと思いながらも図書館で借りて読んでみたのですが、これがなかなか面白い。軍事装備や世界情勢も現実の世界に立脚しており、戦闘描写もリアルでエグイ。砲弾で腹や頭を打ち抜かれて内臓が飛び散るため、気の弱い人は読まないほうがいいかもしれません。絶対にアニメ化できそうにない漫画です。

日本には自衛隊が存在しますが、暗部ではこの漫画のような戦争集団が存在しているのでしょうか? 国民に公にできない戦闘集団を密かに養成し、秘密裏に戦闘行動を執らせている、なんてありそうな話じゃないですか。絶対に存在しないなんて誰も言い切れないと思います。むしろ存在していて当たり前とすら感じます。

続編もまとめて借りたので、一気に読了したいと思います。
いや~、借りてよかった。この作者の他の漫画も読んでみたいと思います。
10.22(金)2読目
直子の療養所を訪れた後、ワタナベ君は東京に戻り大学生活を再開する。本屋の娘、ミドリに惚れられて、彼女の父親の入院している病院を訪問し(末期がん)、その後ほどなく父親は死去する。
レイコさんの手紙により直子の病状が悪化しているので、専門病院でしばらくの間治療することがけってしたことを知る。病状は落ち着いて一度療養所に戻った直子は、その夜、自殺する。
直子の自殺により精神のバランスを崩したワタナベ君はフラフラと急行列車に乗り込み、山陰方面をフラフラと彷徨う。1ヶ月の放浪生活の末東京に戻ってきて、8年ぶりに療養所から出てきたレイコさんと会う。なんでも旭川で音楽教室をひらいている友人のもとで働くのだそうだ。そしてその晩、ワタナベ君とレイコさんは寝る。

十年ぶりくらいに読み返してみましたが、やっぱり良い本でした。
ストーリーなども忘れているところが多く、特に登場人物が3人くらい死ぬなんてすっかり頭から抜け落ちていました。下巻の終盤は太宰治のように陰鬱な雰囲気が漂っていましたが、最終的にはハッピーエンドのような形で締めくくられていたのでよかったです。直子はちょっとかわいそうでしたが。

それにしてもレイコさんと直子が住んでいた療養所ってどんなところでしょう。レイコさんは8年間暮らしていたそうですが、そんなことって可能でしょうか。半分スタッフのようになっていたので入居費は無料だったようですが。夫と子供もいるようですが、離婚はしないのでしょうか。

ワタナベ君はミドリと結ばれたのでしょうか。個人的見解だと、あのふたりは1年間くらい付き合って分かれたのではないかと思います。ミドリはかなり情熱的な女なので、そのうちワタナベ君の煮え切らない態度に愛想をつかして別れを切り出すことになると思います。恋は熱病のようなものなので。

そんなこんなを含んでいますが、「ノルウェイの森」はラヴ・ストーリーの傑作だと思います。そして村上春樹の代表作ですね。はやくノーベル文学賞受賞しないかなぁ。
10.20(水)2読目。
38歳の主人公がノルウェイの飛行場で過去を回帰したところから物語りは始まる。
東京で大学生活を開始した「僕」。学生寮の2人部屋で生活を始める。ルームメイトはどもり癖があり地図を愛する変人。その他、毎朝日章旗をあげて君が代を歌う学生服の2人組、抜群に頭がよく主人公と仲良くなる2年年上の男性など非常に濃いキャラが登場する。

高校時代から好意を寄せていた女性と再会。しかしその女性は心を病んでしまい、自らの意思で大阪の療養所のようなところで生活を始める。僕はその療養所を訪れ、そこでレイコさんと出会う。レイコさんは30代後半の女性で、7年間もその療養所で暮らしているという。音大出身でピアノを専攻していたとのことで、将来はプロピアニストを目指していたそうだ。しかしある日突然左手の小指が動かなくなり、プロのピアニストになることを断念。近所の子供にピアノを教えつつ、結婚し、子供を産んで平凡な主婦となる。しかし突然現れた女性徒にピアノのレッスンをしたことから、再び病状が悪化して療養所生活を開始したという。

村上春樹の代表作である「ノルウェイの森」のあらすじです。
ワタナベ君のことが嫌いという人は多いと思いますが、私は結構好きです。正直だし気遣いができるし頭も良いし。少々女たらしのところはありますが、それもまぁいいでしょう。手当たりしだいというわけでもないし、節度のあるお付き合いといったところだと思います。

それにしても初期の村上春樹の文章はきれいです。近年の作品は初期に比べて瑞々しさに欠けるような気がします。システマチックになったというか平凡になったというか。私は初期の作品のほうが好きです(特に「1983年のピンボール」だっけ?)。下巻に続く。
10.17(日)2読目
日本語ボランティアとしてベナンに滞在した小国氏が体験したベナン共和国の実際を、ゾマホン・ルフィンが解説する形で進行するルポ。

ベナン共和国はアフリカ西部の国ですが、日本ではほとんど知られていません。ゾマホンが「ここが変だよ日本人」に出演することによって、ようやく「ああ、ゾマホンの国ね」と少し知られたのが実際のところではないでしょうか。私もそれまでベナン共和国という国名は知っていましたが、それ以上の知識はまったくありませんでした。

本書は、日本人が実際にベナンに滞在し、日本人の目から見たベナンのルポルタージュです。ベナン共和国の滞在記など、日本で出版するのは初めてではないでしょうか。少なくとも私は他に知りません。

読んでいくと、何となくベナンと日本の共通点が見えてきます。
ケンケンパ、独楽回しなどの子供の遊び、NOといえない平和を愛する国民性。そして意外なことに(といっては失礼ですが)、ベナンは安全な国なのです。もちろん犯罪などはあるのでしょうが、平和を愛する性質からか、殴り合いや殺し合いなどは考えられないそうです。そして地域の連帯感が強い。ここも古き日本の特性と同じですね。

ベナンはなかなか遠く、何度か飛行機を乗り継ぎしないと行くことはできませんが、本を読んでベナンの空気に触れるのも良いかもしれません。そして興味が沸いたら実際にベナンにGO!
10.13(水)2読目。
ゾマホンが書いた本の2冊目。
この本では主に、ゾマホンが私費を投じて建設している小学校、井戸などの建設作業、そしてアフリカが抱えている諸問題などについて論じています。井戸は小学校建設に先立って行わなければならないと、ベナンでは規定されているため、ゾマホンは150万円という大金を自分で支払い、掘削作業を行います。その150万円は、ゾマホンが日本で頑張って貯めた、汗と涙の結晶の証です。ベナンでは750万円相当にあたり、大金持ちの部類に入るそうです。

そのお金をもってベナンに戻り、大金持ちとして暮らすこともできたでしょう。そうすれば一生生活に困らないし、結婚して豊かな暮らしをすることもできました。家を買ったり、車を買ったり。しかしゾマホンは井戸を掘った。小学校を建設した。なぜならば、祖国ベナンを豊かな国にしたいから。本当にすごいです。

もうひとつ、ベナンを初めとするアフリカ諸国が貧しいのは、教育の問題が大きいそうです。そして旧宗主国、ベナンではフランスがそれに当たりますが、そのような国々がいまだに半植民地支配をしており、アフリカ諸国の発展を妨げているそうです。日本ではあまり報道されていませんが、植民地支配はいまだに続いています。本当に残念なことです。
10.10(日)2読目
このブログの第一回に書いた読書感想、それが「ゾマホンのほん」でした。とても感動した覚えがあるので、本を探したところ、なぜかどこにもありません。しかたがないので、古本屋でもう一度購入して再読しました。とても珍しいことです。

2読目ですが、今回も感動しました。
ゾマホンはアフリカのベナンから中国、日本へやってきて勉強しています。将来ベナンに戻って、国の発展に寄与するためです。そのため、生活はとても質素にしており、お金が貯まると衣料品や医薬品などを購入してベナンに送っています。また、「たけし小学校」を建設して、将来のベナンの発展のため教育に力をそそいでます。

この本を読むと、ゾマホンの奮闘はもちろんのこと、ベナンを初めとしたアフリカに対する欧米の支配の構図が見えてきます。ベナンはかつてフランスを宗主国として700年間も植民地支配をされていましたが、その名残が色濃く残っているのです。日本もアメリカに一時期占領された経験があり、そのため思考や行動様式が欧米並みになってしまいました。ゾマホンはそのことを残念に思い、また危惧もしています。なぜなら被支配国の先輩だからです。

とても良い本だと思います。折に触れて読み返そうと思います。まだ読んだことのない人はぜひ手にとって読んでみてください。
10.5(火)読了
叩き上げの自衛隊員、元財務省役人の両人が天下った様子をコミカルに描いています。
二人が天下った先は、時効を迎えて法的には取り立て不可能となった債権を取り立てる「債権回収」の部門。とはいえ仕事内容は「何もしなくても良い」という典型的な天下り部署。三十数年自衛隊の現場で働いてきた愚直な主人公は仕事に精を出し、なぜだか総額3億円もの債権を回収してしまう。元役人と秘書の3人で話し合い、3億円を山分けして海外に飛び立とうという話になるが……。

久しぶりに浅田次郎の作品を読みましたが、さすがの一言です。
天下りの様子を描くという発送も面白いし、ストーリーや文章の巧さもピカ一です。最初から最後までぐいぐい引き寄せられるように読みました。
それにしても、本当に天下りの現場はこんな感じなのでしょうか? だとしたら、腹立たしさと同時に「死ねっ!」と罵倒したくなるのも分かります。寝ていて高額の収入が勝手に振り込まれるのですから、打ち出の小槌も真っ青です。むろんそのお金は誰か他の人が働いて収めた「税金」ものです。天下り役人は泥棒ですね
「僕のお父さんの仕事は天下りです!」
なんて小学生の息子に作文発表されても恥ずかしくないでしょうか。決して尊敬できない父親ですね、職業が泥棒なんて。

とにかくこの本はおすすめです。浅田氏の他の著作と同様、レベルの高い一作だと思います。


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