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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.6(日)読了
麻原彰晃死刑囚の4女の手記。
麻原家で有名になったのは、長女のドゥルガー、次女カーリー、三女アーチャリーの3人で、4女ののりかさんは名前を聞いたことがない人も多いと思います。事件当時はまだ6歳ということもあり、ホーリーネームなども与えられていなかったようです。

内容的には、彼女のオウム内での生活、その後の生活などが淡々と綴られており、文章的にもしっかりしているため(手入れは入っているにしても)、好印象でした。オウム内部では、ドゥルガーは父親が高いステージに至る前の娘ということもあり、あまり厚遇されていなかったようです。カーリー、アーチャリーは高いステージ後の娘ということもあり実権があったみたいです。特にアーチャリーは最終解脱後に生まれたため、存在自体がある種の「神」のように捉えられていたそうです。

のりかさんは、父親が捕まる時は6歳で、正式にお披露目もしていなかった(聖名がなかった)こともあり、信者さんたちからは、ウマー・パールヴァティ・アーチャリーほど重んじられていませんでした。家族間の問題、権力闘争などもあり、大変な人生を歩んできたようです。また、事件の被害者がたくさんいるにも関わらず、信者のお布施で贅沢に生活している家族に嫌気もさし、家出、自殺未遂を企てています。

あのような生活環境、生育環境ではしかたがなかったのだと思います。彼女は事件とは関係ない一個人という人もいますが、やはり家族があれだけの事件を起こしたのですから、無関係ではいられません。レッテルを貼られるのは仕方がないでしょう。かわいそうとは思いますが。

読んでいて気になったのが、第9章。彼女は神が見えたり、普通の人が見えないものが見えたりする、と言います。見えないものが見える(もしくはそう感じる)こともあるかもしれません。あるいは、脳の誤作動、被害妄想的なものかもしれません。病気なら治療しなければならないと思いますが、生活に支障がないのならば良いと思います。

私が気になったというのは、そのようなことを本に書くという行為そのものです。普通の人なら、もし何かが見えたとしても公には出しません。それが思慮分別です。自己の言動により、他人がどう考えるか、どう捉えるかを認識し、言うべきことは言う、言うべきでないことは噤むというのが社会性であり、「正常」な判断力だと思います。とりわけ、彼女の立場は教団内外で微妙なので、一般人として普通の幸せを掴みたいと思っているのならば、書くべきではありませんでした。(※「視える」ことは珍しいことではありません)

神秘体験云々よりも、そのような言動そのものに、私は問題があるのではと思いました。

範華さんが幸せに暮らせるように祈っています。
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