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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.28(土)読了
1000年後の日本を描いたSFファンタジー小説。
八丁標という結界に守られた人間の住む町。八丁標から外に出ると、おそろしい業魔が襲ってくると大人は子供を教育し、子供はそれを忠実に守っている。そしてこの時代の人間はみな、超能力を使用することができた。
学校の7日間合宿で、早季のグループは興味本位から八丁標から外に出てしまった。その罰として、超能力を奪われてしまう。
八丁標の外では、人間並みの知能を持つようになったバケネズミたちが激しい縄張り争いを繰り広げていた。超能力を持つ人間たちを「神」と崇めているドブネズミたちは、早季たちに敵対する外来種のバケネズミたちの退治を依頼する。早季たちはそれに応じ、外来種を全滅。無事、家に戻る。
2年後、早季のグループの優等生、瞬の様子がおかしい。どうやら業魔(橋本・アッベルバウム症候群)に侵され、超能力の放出が制御できなくなってしまったらしい。瞬は結界内の小屋に入れられる。早季は瞬を救いに小屋に行くが、ついに瞬は超能力の放出を抑えきれなくなり、小屋もろとも地面に沈んでいってしまった。早季を空高く脱出させて。

尊敬する貴志先生の最新作(といっても1年前に刊行)ですが、それほどおもしろいと感じない。10代前半~中盤の少年少女が主人公ということもあって、少しライトノベルのような感じがする。ご都合主義的なところも多々見受けられ、主人公の少女、早季の思い描いたことがバカ正直にそのままストーリー展開に反映されている。言い方は悪いが、素人が書いた小説っぽい。

まぁ、この作品は貴志氏の実質的な処女作であり(『13番目のペルソISORA』以前に書かれている)、1800枚もの分量にリメイクして刊行したもののようなので、素人っぽいのは無理もないかもしれない。冗長なシーンもいくつかあり、できればあと100ページくらい削って作品の密度を上げてもらいたかった。無意味に長い小説は読む時間の無駄であり、疲労も溜まる。

今回はかなり辛口のコメントです。貴志祐介は私が最高の作家の一人として位置づけている人物なので、心を鬼にして辛口です(偉そうに)。
それに、まだ上巻を読んだだけです。おもしろくなりそうな雰囲気はかなりしているので、不安と期待を抱いて下巻を読んでいきたいと思います。
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