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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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8.26(木)読了
ライトノベル。
主人公女子の通う高校に編入学してきたのは、軍事バカの男子生徒だった。学校で鉄砲ぶっ放したり、武器を持ち歩いたり、そしてなによりストーカー。四十六時中ヒロインに付きまとい、「偶然だな」の一言ですませる。旅先の新幹線の中で偶然ったってねぇ……。
こんな変態主人公だが、実は世界的組織「ミスリル」に所属するエリートコマンドーにしてロボット使い。任務は、狙われている(かもしれない)ヒロインのボディガード。ガンダムのようなロボに乗って敵をやっつけるのだ!

序盤はなかなか面白く読めたのですが、肝心の「ガンダム」のようなロボに乗り込んで戦闘するシーンから急速に興味が薄れていきました。現実感が気迫というか、なんというか。さすがにロボットはないでしょう。学校内でドタバタやってるほうが面白かったかな。

ラノベのレヴューで星三つがついていたので読んでみたのですが、悪くはないけど取り立てて良くもないというのが正直な感想です。ギャグならギャグに徹してほしい。安っぽいドラマのようになってしまっている。残念。

短編集がたくさんでており、そちらのほうは純粋に学園ドタバタものらしいので、そっちのほうに期待。長編は2巻以降は読まないかなぁ……。
しっかし、これが2008年度のラノベランキング1位とは。それが一番のおどろきかも。
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8.23(月)読了
往年の週間少年ジャンプの人気漫画。
この時代の少年ジャンプはすばらしい作品が多かったと記憶しています。
北斗の拳、キン肉マン、ドラゴンボール、シティハンターetc.etc......そんな名作に並んで人気を博していたのが、この聖闘士星矢。アニメ化もされたので、名前だけ知っているという人も多いはず。

ストーリーは少年漫画にしてはシビア。
某財閥が集めた孤児たちを世界中に送り込み、聖闘士(セイント)という人間の身体能力を大幅にアップするボディパーツを持って帰らせ、その者たちをタイマンで戦わせるという……いやぁ、青年誌でしょうという殺伐とした内容。
しかし少年たちは素直です。バカ素直に長年の修行に耐え、セイントを纏って戦います。そんなことしなくていいでしょう、財閥は人身売買でしょう、人権団体が黙っていないでしょう! 突込みどころ満載ですが、そこは漫画。おいておきましょう。

少年誌に必要な努力、友情、勝利がこれでもかとばかり詰め込まれています。まさに王道。ヒットする要素満載です。実際にヒットしたし。まぁ、それなりに面白い。
この前、ブックオフで見たのですが、この漫画の続編が出ているとか。しかし絵柄がまったく違う! あれはいったい……?
8.19(木)読了
その名の通り、人格を改造するためのマニュアル本。
薬、催眠、人格改造セミナーなど、考えつくかぎりの「人格改造法」をまじめに検証しています。

同氏の著書、「完全自殺マニュアル」は自殺本のバイブルとして一時期もてはやされました。しかしあまりにも社会に与える影響が大きかったためか、現在では発禁処分とされて店頭では売られていないようです。現在の練炭自殺なども、この本の影響を受けているのではないかと思われます。

本著は、その二番煎じ本。はっきりいって、「完全自殺マニュアル」ほどのインパクトはありません。睡眠薬や精神安定剤を著者自身が飲んで試しているのはいいのですが、肝心の麻薬類は他人の感想をそのまま本に書いているだけなので、物足りません。中島らも氏の「アマニタ・パンセリナ」のように、自身で麻薬を試して著述しなければ、どうしてもインパクトに欠けてしまいます。

それでも、入門書とてはまずまずだと思います。それなりに種類は豊富だし、これを参考に人格改造を試みてみるのも一興ではないでしょうか。もしかしたら、まったく違う自分を発見できるかも?
8.19(木)読了
ライトノベル。
主人公の通う中学校にちょっと変わった女の子が転校してきた。自分は人魚であり、十年に一回の嵐の日にポンポンポンと卵を産んで増えるのだという。名前も珍妙で、海野藻屑(うみのもくず)。
父親は有名なシンガーソングライター(だっけ?)で、東京にいたのだが、さまざまな理由から再び故郷の町に戻ってきたのだという。理由というのは、娘である藻屑の虐待。彼女は身体中にたくさんの痣をつくっているが、「海が汚染されているから」と言い張る。最期まで自分は人魚だと押し切ったのだった。

ライトノベルにしては暗いモチーフです。内容は決してライトではありません。むしろヘヴィ。暗い話が苦手な人は避けたほうがいいかもしれません。
それにしても、海野藻屑ちゃんはかわいそうです。「自分は人魚」と言い張らなければならない状況、父親の虐待……たまりませんね。そしてラストもとても悲しい。桜庭さんはこの作品を「一瞬で」創作したそうですが、彼女の生育暦などを慮ってしまうのは私だけではないと思います。

桜庭さんは、ライトノベル出身の作家としては珍しく、直木賞を受賞しておられます。
「赤朽葉家の伝説」などが有名なので、以前読んでみたのですが、あまり私にはあわなかったみたいで途中で読むのを断念してしまいました。しかし文章の巧さは本物だなと感じました。ちょっと幻想的で、ふんわりした文章です。ファンタジーや童話などのもあっている文章だなと思いました。
8.17(火)読了
文庫本の最終巻。
鉄郎は結局自分で機械の身体を決めることができなかった。メノウさんが決めた鉄郎の身体は、螺子だった。とても重要なポジションの螺子。メーテルは螺子になった鉄郎にキスをして、螺子は捲かれる。しかし、その螺子は鉄郎ではなく、平凡な既製品だった。メノウさんが配慮したのだ。鉄郎はその螺子を戦士の銃で撃ち、システムは崩れてゆく。
メーテルと鉄郎はそこで別れ、鉄郎は再び銀河鉄道999でたったひとりの旅に出る。次に目指すのは最終地点、地球だ。

なかなか感動的な最終話でした。何度か読んだはずですが、ラストのストーリーはなぜか忘れていました。よんでよかった。
最終巻を読み終えると同時にオークションに入り札が入り、「銀河鉄道999」はそのまま他の地へ向かって旅に出ました。新しく手に取った人に楽しんでもらうことでしょう。めでたしめでたし。
8.15(金)読了
ライトノベル。中学生男子の主人公と伊里野加奈という不思議な少女との出会い。イリヤは夏の夜、中学校のプールでたったひとりで泳いでいた。腕にはなぜか球体の玉のようなものが埋め込まれている。これは宇宙人ではないのか。そういえば人間離れしている行動と言動。兄が自衛隊(軍隊?)に勤務しているため、基地内での生活が多かったのでそうなったようだが、そうなのだろうか。

いわゆる学園物です。イリヤが主人公の中学校に編入学してきてさまざまな出来事を巻き起こす。オカルトオタクの新聞部部長がいい味だしています。とにかくこの部長、ある種変態チックでキャラが濃い濃い。主人公はもとよりイリヤも食っているキャラの濃さ。好きだなー、こういう変態野郎。

文章も巧い。ライトノベルだと軽く読める本ということで文章を簡潔に書くことが多く、ややもするとディティールが書かれていなかったり幼稚だったりするのですが(「涼宮ハルヒ」シリーズも文章は下手だ)、秋山氏の文書はなかなか良いと思う。ラノベ的に作り変えてはいるが、端折ることなくちゃんとして文章を書いている。そして安定している。こういうのはポイント高いなぁ。アダルトが読むに耐えるライトノベルだと思います。
8.11(水)読了
ライトノベル。病院に入院した少年と、難病に罹って入院中の同い年の少女とのふれあい。
ストーリーはベタベタでありきたり。捻りも何もありません。悪い話ではないし読後感も悪いわけではないのですが、後に残る余韻のようなものがない。
「ふーん、いいお話だね。で、オチは?」
って感じ。一昔前に流行った「世界の中心で愛を叫ぶ」に何となく似ている。ストーリーではなくて読んだ感じが。

ネットで調べたところ、文章が綺麗だ、素晴らしいと褒め称える人が割と多くいるが、私の感想は真反対。文章中に背景のディティールがほとんど無いのにはびっくりした。これは「野豚にプロデュース」並みだ。まぁ、あそこまで酷くはないか。しかし背景描写が少ないため、文章全体がモノトーン調に感じられるので苛々した。漫画でいえば背景が空白。べた塗りではなくて空白。特に序盤。読んだら分かる。

おそらく著者は十代の少年少女にあわせて、わざと下手な文章で書いたのだと思う。大学生以上のアダルトには到底通用しない。下手だもん。この程度の本が一定の評価を得ているところからしても、ライトノベルのレベルがあまり高くないことがわかる。……言い過ぎだな。

これにめげずに、もう少しライトノベルを漁ってみようと思う。
「涼宮ハルヒ」は面白いと思ったので、ライトノベル自体が面白くない訳ではないはず。
8.11(火)読了
エッセイ集。航空会社の雑誌に連載していたものなので、飛行機であちこち旅行に行く話が割と多くでてきます。
浅田氏の著書は久しぶりに読んだのですが、やっぱり巧い。なんでもない文章ひとつをとっても、単純な言葉や単語を避けて、味のある文章に仕立て上げる技量はさすがプロだと思いました。この人は長編、短編、エッセイとジャンルを問わずにすべてハイレベルな書き物をしています。個人的に、安心して読める作家さんのひとりです。

浅田氏の特技(?)のひとつが、「シャイなくせに恥ずかしながら何でもやってしまう」というものがあるそうですが、これは素晴らしい。生まれて初めて演劇に出演されたそうですが、ほとんど練習もせずにぶっつけ本番。顔合わせも一度もやらなかったそうなので、結果はボロボロ。舞台上で台詞を忘れて石像と化したそうです。それでもニ幕目からは肝が据わったのか、台詞がスラスラと口から出て上手くいく。場慣れの大切さを知ることができる素晴らしいエピソードです。

今年は上下巻の第二次大戦に関する本を出版されたそうです。機会があれば読んでみたいと思います。
8.9(月)読了
中学生の頃、謎の美少女作家としてデヴューしてしまった僕。恋人を自殺で失い、心に傷を負ったまま作家業をやめ、高校へ入学。ひょんなことから文芸部に入ってしまい、毎日毎日書き物をする日々。それというのも、文芸部部長であり唯一の部員でもある遠子先輩が、本を食べる妖怪だからだ。三題噺を書かされてはそれを食べられ、そんな日々は決して悪いものではなかった……。

久しぶりにライトノベルを読んでみることにしました。人気がある作品ということで”文学少女”シリーズを読了しましたが、個人的にはいまいちでした。
設定は悪くないのですが、無理にミステリー仕立てにしたことと、女性作家が少年を主人公にして一人称で進めたことに違和感があります。簡単にいえば、主人公のぼくちゃんは、少女コミックに出てくるような男の子。思考、行動、台詞回しなど、同じ男性からすると、かなり不自然に思いました。主人公は高校生という設定ですが、よくて中学生、ややもすると小学生並みに純粋です。

登場人物も中途半端。
主人公級の二人はまあいいとして、姫倉、琴吹の二人はなんのために登場しているのか分からない。特に琴吹。ストーリー展開にまったく絡んでいないので、むしろいないほうがいい。2巻以降のことも考えてわざとこのような使い方をしたと思うが、第一巻でこれは完全にアウト。2巻を読もうという気になれません。

かなりダメだしをしてしまいましたが、これは個人の読書の趣味嗜好の問題なので、この作品がいい! という人もいるでしょう。実際、結構人気があるみたいなので。ただし、アダルトには通用しない。「んなわけなーだろ!」と突っ込み入れたくなる箇所多数です。女子中学生あたりに対象を絞った作品かな、と思います。
8.8(日)読了
さまざまな職業、地位、立場の人物が悲惨な立場に追い込まれていく様子を描いた作品。市役所職員、元暴走族のインチキ営業マン、市議会議員、首になった女性警備員、引きこもり男性に監禁された女子高生、生活保護で月23万を貰うヤンママ……たくさんの人物が登場し、それぞれの人生を見事に描いています。

多視点作品とはいえ、これだけの主人公級の人物を登場させて大丈夫なのかと、読者ながらはらはらしました。ラストに近づいてもそれぞれの関連性が薄いので、どのようにまとめるのだろうと思いましたが、なるほどそうきたか。テンションがあがったまま終了。巧いなぁと思いました。

作品としては『最悪』に近いでしょうか。エリートと社会の底辺の人物を登場させてその対比を描く、一種の社会批判のような作品でもあります。こういうのを描かせたら奥田氏の右に出る者はいないでしょう。すばらしい出来です。この作品は賞を獲っていないのでしょうか? 個人的には直木賞レベルの作品だと思います。ボリューム(厚さ)も十分あるので枕にもなります。素晴らしい。


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