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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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8.19(木)読了
ライトノベル。
主人公の通う中学校にちょっと変わった女の子が転校してきた。自分は人魚であり、十年に一回の嵐の日にポンポンポンと卵を産んで増えるのだという。名前も珍妙で、海野藻屑(うみのもくず)。
父親は有名なシンガーソングライター(だっけ?)で、東京にいたのだが、さまざまな理由から再び故郷の町に戻ってきたのだという。理由というのは、娘である藻屑の虐待。彼女は身体中にたくさんの痣をつくっているが、「海が汚染されているから」と言い張る。最期まで自分は人魚だと押し切ったのだった。

ライトノベルにしては暗いモチーフです。内容は決してライトではありません。むしろヘヴィ。暗い話が苦手な人は避けたほうがいいかもしれません。
それにしても、海野藻屑ちゃんはかわいそうです。「自分は人魚」と言い張らなければならない状況、父親の虐待……たまりませんね。そしてラストもとても悲しい。桜庭さんはこの作品を「一瞬で」創作したそうですが、彼女の生育暦などを慮ってしまうのは私だけではないと思います。

桜庭さんは、ライトノベル出身の作家としては珍しく、直木賞を受賞しておられます。
「赤朽葉家の伝説」などが有名なので、以前読んでみたのですが、あまり私にはあわなかったみたいで途中で読むのを断念してしまいました。しかし文章の巧さは本物だなと感じました。ちょっと幻想的で、ふんわりした文章です。ファンタジーや童話などのもあっている文章だなと思いました。
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