読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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12.17(火)読了
往年の名ピアニスト、中村紘子がチャイコフスキーコンクールの審査員を行ったときの感想を、ドキュメント風に執筆した本。第20回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 1988年の作品なので結構古いですが、当時の臨場感や日本人のクラシック音楽に対する取り組み方、世界のピアノ事情なども詳しく書かれていたので、興味深く読み進めることができました。 コンクールに出場した奏者の演奏の出来、所感などを中心に書かれていますが、驚いたのはその文章の表現力。作家顔負けの素晴らしい文章をごく自然な感じで書いているので、ピアニストにしておくのはもったいない(失礼)と思ってしまいました。天は二物を与えるとはこのことですね。 当時はチェルノブイリ原発事故の直後のコンクールだったこともあり、辞退者が割とでたようですが、それでも100名以上の奏者がエントリーしたようです。日本人も多く登場しましたが、残念ながらファイナリストに選ばれるまでには至らなかったようです。 演奏者を選別する難しさ、長時間ピアノを聴くという簡単ながら辛い作業、日本との文化の違い……。実際に体験しないと分からないことがたくさんあります。ピアノを弾く人は(もちろん弾かない人も)一度読んでおいても損はないと思います。 PR
12.14(土)読了
織田から今川に人質交換された竹千代。戦国時代の悲哀を感じます。そこで今川の家臣の姫を嫁にもらい元服、晴れて岡崎に戻ることができました。その間の約10年間、家臣たちは合戦のたびに今川の先鋒に立たされ疲労し、年貢も今川に渡ってしまうなどの屈辱を味わいます。庶民も年貢の取立てなどで苦しんだようです。属国というか、半植民地のような状況です。 一方、織田信長は市場で木下藤吉郎と出会い(史実通りかは分かりませんが)、「使える奴」ということで足軽に取り立てます。後の豊臣秀吉です。 信長はまむしこと斉藤道三の娘と結婚したものの、姫は子供を産めない身体。側室を持つことにする。生まれた子供には「奇妙丸」などの奇妙な名前を次々とつけていく。元服の際には改名するにしても、もっとましな名前はなかったのかと思います。つけられた子供の成長に少なからず影響するのでは。まあ、このあたりが凡人との違いなのでしょう。
12.11(水)読了
山岡荘八の大作「徳川家康」を漫画化したもの。さすがに小説のあの分量は読みきれるか不安だったので、とりあえずは漫画で読了したいと思います。 徳川家康というと、幼少の頃から織田や今川に人質に出され、割と不遇な暮らしをしていたという印象があります。大藩に囲まれた小藩の悲劇といってしまえばそれまでですが、どちらの藩につくかという都合で振り回される竹千代はやはりかわいそう。ちょっと応援したくなります。 1巻には竹千代の出番は(あまり)ありません。竹千代の父親の代の話、戦国時代を生き抜くために汲々としている岡崎衆の苦悩ぶりが描かれています。徳川の歴史についてはあまり詳しくないので、名前の似ている人物が多数でてくると見分けがつかなくなります。これは誰? 敵? 味方? 親戚筋? みたいな感じです。織田、豊臣ならある程度分かるんだけどなあ。 ともあれ、主人公の出番は2巻までお預けのようです。1巻は徳川家の置かれている状況の紹介といったところでしょうか。1巻がかなり分厚い(枕本)なので、漫画とはいえ読み応えがあります。
12.21(日)読了
全盲で生まれた伸行さん。幼少の頃からピアノの才能があり、それを育んだ母、いつ子さん。伸行さんがピアニストになるまでの日々をいつ子さんが綴っています。 全盲のピアニストというと梯さんを思い浮かべます。目が見えないというハンディを乗り越えてピアニストになる、普通では考えられません。目が見えて鍵盤の位置を確認することができても難しいのに……。ピアノ初心者の心の叫びです。(ようやくソナチネに入りました) 伸行さん本人の努力、根性ももちろんですが、お母さんが偉かった。さまざまな人や先生を訪ねまわり、伸行さんの才能をどのように生かせばよいか情報収集します。航空チケットの手配、宿泊場所、リサイタル管理など、ほとんどマネージャーのような奮闘振りです。本人が全盲なので、当たり前といえばその通りですが、それでもすごいです。 ショパンコンクールに最年少で出場し、2次予選まで進みます。残念ながらセミファイナルには進めませんでしたが、それでも快挙といえると思います。これからが楽しみです。
12.18(木)読了
数年前に論文問題で失脚した元航空幕僚長による、日本の防衛問題論。日米同盟、対中、対ロ、朝鮮半島問題などを中心に、日本の軍事、防衛について語っています。 いわゆる右翼の考え方をおもちのようで、憲法改正(9条)、核保有、国際法に則った対応、歴史認識の是正などについて力強く持論を述べています。表紙の帯に記載している「頑張れ! 安倍さん」というプロットからもその様子が見て取れます。 分かりやすく、割と支持されやすい意見のように感じました。社民党や共産党の考え方よりも現実的であることは確かです。現在のグローバルスタンダードを取り入れようと言っているだけなので、当然の主張のように思えます。ただ、それが正しいか否かは議論の分かれるところでしょう。 日本の置かれている立場、世界常識などが分かりやすく書かれているので、興味のある人は読んでみて、自分の意見との違いを確かめるのもよいと思います。
12.2(月)読了
文芸社が無料配布している冊子。登録すると季節ごとに送られてきます。 前回までは数ページから10数ページの刊行物だったのですが、今回は大判の紙1枚を3つ折にして送られてきました。経費と労力の削減でしょうか。ちょっと残念です。 表面は文芸社の新刊本の紹介。「世チュー」の片山恭一と「リアル鬼ごっこ」の山田悠介が新しい本を出したようです。山田氏はしょっちゅう本を出しているイメージがあります。中学生を中心に人気は天下一品のようですね。私はあまり好きではありませんが。 裏面は読者原稿。息子さんをガンで亡くした父親が、息子の闘病記をまとめて文芸社から出版したことが書かれています。毎日数時間書き続けて、2年間書いて1冊の本に仕上がったとのこと。素晴らしいですね。24時間テレビでドラマ化もされたようですね。
11.29(金)読了
緊急医療のエキスパートである矢作氏の初めての著書。矢作氏の本はこれまで数冊読みましたが、最初に書かれた本を最後に読むという形になってしまいました。 宗教、科学、霊学、医学や自身の体験をもとに、見えない世界を分かりやすく解説しています。世界のスピリチュアル事例の紹介や有名な霊媒師、霊なども取り上げているので、初心者でもスピリチュアルについて系統立って理解することができます。 全体的に論理的に系統立って記述されているので、いかにも科学者が書いた本だなといった感じがします(良い意味で)。元国立大択教授の飯田氏に通じるものを感じました。スピリチュアル初心者はもちろん、あの世の科学に興味のある人にもお勧めできる良書です。
11.26(火)読了
短編の私小説が数編。 いつものように「秋恵」がらみの昔語と、その他、昔の小説家「藤澤」の話、そして母親から届いた手紙の話など、いつになくバラエティに富んでいます。 母親からの手紙はちょっと気まずいですね。20年以上音信普通だった母親が、著者の小説家としての成功に気付き、(おそらく)住民票をたどって手紙を送ってきます。お金の無心というわけではなくて、純粋な親心から息子の成功を祝っている感じの内容でしたが、本人、もとい貫多はおおいに困惑し、「300万円までだな」と渡す金額の上限を心の裡で設定します。 秋恵に対する暴虐な振る舞いやこれまでの起伏に富んだ人生を身内、それも母親に読まれていたという事実は貫多に動揺をもたらしたようです。今後の著作活動に変化があるかどうかを見守りたいと思います。ちなみに内容は面白かったです。
11.23(土)読了
救急医療のスペシャリストでありスピリチュアリスト(と私は思っている)の著者の「お別れの作法」。どのように死ねばよいか、本当によい見送り方とは何かについて、現場経験と自身の親を看取った経験を元に提言しています。 矢作氏は前提として、死は怖いものでも悪いものでも、ましてや医療の敗北でもない、と言い切っています。そして輪廻転生やあの世の仕組みなどを交えて理由を説明しています。肉体はこの世を生きるための物質であり、あの世に生まれ変わるために肉体を脱ぎ捨てるに過ぎない。人間は決してしなないということですね。 わずか10数年前まで、死は医療の敗北であり、生き永らえさせるのが医療の最重要課題という風潮があったそうです。いまでも、もちろん病気を治したり長生きをさせるのが医師の重要課題であることに変わりはありませんが、末期がんや終末期に至った患者に対して、わずか数週間や数日生き永らえさせることになんの意義があるのかということが大々的に提起されています。 西欧諸国では、治る見込みのない終末期患者にチューブやドレーンを繋ぎ、生き永らえさせることは、患者の「尊厳」という見地から虐待行為とみなされているそうです。痛みを長引かせて、身体から管をたくさん繋いでまで生きたいという人は、そう多くはないと思います。少なくとも私は嫌です。 見取り方という少し重いテーマですが、いつかは誰にでも訪れる現実です。いろいろと考えさせられる本なので、ぜひ一度読んでもらいたいと思います。
11.20(水)読了
漫画で読破シリーズ。今回は「学問のすすめ」。読みたいと思ったことはなく、読もうと思ったこともありません。漫画で読まなければ、おそらく一生読む機会はなかったでしょう。 福沢諭吉の生い立ちから生育環境、蘭学を学びながらも、兄が死んでしまったため家督を継がなければならなくなったこと、それでも蘭学、英語への夢断ち難く、ついには遣欧使節団の一員として洋行してしまうという立身出世物語が描かれています。 「学問のすすめ」は、その名の通り学問をすすめる理由が書かれている(と思います)。肝心な「学問のすすめ」の内容はほとんど書かれていませんでしたが、どうやら自立する必要性、そのためには学問が必要ということらしいです。詳しく内容を知りたい人は、ちゃんとした本を読んでください。これはあくまでも漫画ですから。 |
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