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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.23(土)読了
救急医療のスペシャリストでありスピリチュアリスト(と私は思っている)の著者の「お別れの作法」。どのように死ねばよいか、本当によい見送り方とは何かについて、現場経験と自身の親を看取った経験を元に提言しています。

矢作氏は前提として、死は怖いものでも悪いものでも、ましてや医療の敗北でもない、と言い切っています。そして輪廻転生やあの世の仕組みなどを交えて理由を説明しています。肉体はこの世を生きるための物質であり、あの世に生まれ変わるために肉体を脱ぎ捨てるに過ぎない。人間は決してしなないということですね。

わずか10数年前まで、死は医療の敗北であり、生き永らえさせるのが医療の最重要課題という風潮があったそうです。いまでも、もちろん病気を治したり長生きをさせるのが医師の重要課題であることに変わりはありませんが、末期がんや終末期に至った患者に対して、わずか数週間や数日生き永らえさせることになんの意義があるのかということが大々的に提起されています。

西欧諸国では、治る見込みのない終末期患者にチューブやドレーンを繋ぎ、生き永らえさせることは、患者の「尊厳」という見地から虐待行為とみなされているそうです。痛みを長引かせて、身体から管をたくさん繋いでまで生きたいという人は、そう多くはないと思います。少なくとも私は嫌です。

見取り方という少し重いテーマですが、いつかは誰にでも訪れる現実です。いろいろと考えさせられる本なので、ぜひ一度読んでもらいたいと思います。
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