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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.7(日)読了
元気のボクシングの先生の死亡~ライバル火山との戦い。

東京に上京後、元気は寿司屋で働きながらボクシングする。プロテストを一発ノックアウトで合格。その噂を聞いた、かつてのジムメイトの火山が元気をスパーリングパートナーに指名。火山は高校に進学し、将来のオリンピック金メダル候補となっていた。
スパーリングで元気はこてんぱんにやられる。最終回に意地のダウンを奪い、火山はそのショックでプロに転向を決意する。

先生はあっという間に夭逝してしまいました。とうとうその私生活を知ることはできなかった。
上京して寿司屋で働きながらボクシング。棲家はかつて父親と泊まったことのある、ぼろっちいワンルーム(当然、畳)ハングリーさが溢れています。

素直で曲がったことが嫌いで頭がよく、いつもにこにこ笑っている元気な元気くん。一昔まえの典型的主人公といった感じです。
なーんか似ているなー、と思ったいたら、そう、「はじめの一歩」の一歩にそっくり。そしてストーリーまでも……。トレースもといオマージュなのでしょうか? まるでパ○リのようにそっくりです。まぁ面白いから気にならないけどね。
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2.6(土)読了
元気のボクシングの先生がヤクザ相手にジムで大暴れ~先生が病に倒れて入院まで。

元気は中学生になる。先生はヤクザ相手の喧嘩で出頭。3年間の懲役。無事に勤め上げて出所し、元気にボクシングを教えるようになる。
さて、先生は酒びたりの日々を送っているため、身体に病を患っている。それが生命にかかわるほどの病なのだが、先生はかまわず酒を飲み続ける。早く死にたいとでもいうように。それはともかく、この青年はいったいどこから生活費を捻出しているのだろうか? どこかに勤めているふうでもなく、ジムで働いているようでもない。居候として毎日ジムで酒を飲んでいるだけ。付き合っている(?)元気の小学校時代の先生に貢いでもらっているのだろうか? 親が資産家なのだろうか? それとも少年誌で描けないようなヤバいことをして金を得ているのだろうか? 謎だ。

あと、元気のクラスメイトで秀才の男がいいキャラしてる。最初は鼻持ちならないガリ勉くんだったのだが、元気と喧嘩をして以来、元気に心酔、友情が芽生えて良いキャラへと変身してしまう。喧嘩後の友情、まさに少年誌の王道。直球ど真ん中。いやぁ、おもしろい。

2.6(土)読了
アーヴィングの自伝的著作。彼を人気作家に押し上げた一作。
主人公のガープの母親は、性欲のまったくない人物。戦争で脳がやられたガープ父と交わり妊娠。ガープを産む。
ガープは成長し作家となる。ガープの母親も著作を出版。「性の容疑者」というタイトルの本は人気を博し、一躍有名になる。
結婚したガープは2児の父親となる。生活は順調だが、なぜか男女関係が入り乱れてしまう。ベビーシッター(2人)、妻の同僚の嫁、息子の友達の母親……。魔がさしたという言葉では到底説明できない奔放なガープの性。そしてそれを許容している妻(すくなくとも離婚を口にしていない)。奥さんすごい。

処女作『熊を放つ』が面白くなかったので、あまり期待していなかったけど、こっちは面白い。ストーリーもさることながら、文体が安定していて読みやすい。ややコメディタッチの箇所もあり、エンターテイメイト的にも飽きさせない工夫がある。やっぱりこうでないと。

この調子なら下巻も期待できそう。いざ、下巻へ。

2.2(火)読了
共にバイクで放浪していた友は死亡。その後、動物園の動物を開放する計画を実行する。飼育員を縛り上げ、熊を含めて多種類の動物を檻から出してやる。動物園内はパニック。警察や地元住民が動物園を取り囲み、相当数の死傷者が発生した(と思われる)。
一緒に動物園を開放した女性と別れ、主人公は再びバイクで放浪再会。元きた場所を帰って行く。

なんとも無責任極まりない話です。なんとなく動物園の檻を開けていき、風のように田舎に戻っていく。ちょっと笑えない犯罪者。読後感はあまり良いものではありませんでした。

話は彼の父や祖父の物語と現代が入れ子のようになって進行していきますが、はっきりいって過去の物語は邪魔。第二次世界大戦のドイツを巡る話ですが、日本人にはあまり馴染みのない民族紛争を主題としているのでよくわからない。そして、面白くない。

訳者あとがきで、村上春樹氏はこの本を絶賛していましたが、どの辺がよかったのか理解に苦しむ。ストーリー? ユーモア? 文章? それとも個人的趣味嗜好? 私にはよくわからなかった。
1.31(日)読了
エッセイ集。2005年から2008年の間にさまざまな雑誌に載ったものを集めた作品。
浅田次郎の本を読むのは数ヶ月ぶりだが、あらためて読んでみると、彼の文章のすばらしさがよく分かる。さまざまな作家の文章を読んできたが(といってもたいしたことはないのだが)、きれいな文章を書く作家はそれだけで読もうという気分にさせられる。藤原正彦氏や浅田次郎氏などがその例だ。

浅田氏の文体は決して流暢というわけではないと思うが、とても律儀で几帳面だとは思う。天才肌の文章ではなく、不断の努力によって身につけた、いわば秀才肌というものではないだろうか。エッセイを読んでいても感じられるのだが、「努力」という二文字が浅田氏にはふさわしいのではないだろうか。家庭の崩壊、決して幸福ではなかった少年時代、艱難辛苦に耐えながらも文学の道をあきらめることなく、ついには作家になるという夢を掴み取る……すばらしい。

浅田氏の文章で際立つのが、美意識の高さでしょう。古き良き時代の慣習や伝統、義理や礼というものを大切にし、それをふんだんに作品に取り込んでいます。藤原正彦氏の作品にも通ずるものがあります。今の日本人が忘れかけた日本の良さ、伝統のすばらしさ、そのようなものを呼び覚ませてくれる作品を多く書かれている。そして内容も面白い。だからファンも多い。

なんか浅田次郎氏の宣伝のようになってしまったが、読んで心地良いエッセイであることは確かです。
1.29(金)読了
アーヴィングの処女作。
若者二人がバイクで放浪して、そのあげく動物園を襲撃し熊を解き放つ計画を立てる話。現在と主人公の父母の時代(第二次世界大戦のドイツ)の話が交互に進行していきます。

アーヴィングの作品は面白いという噂を聞き、それならば処女作から読もうと思い手にとりました。でも、まだ上巻を読んだだけですが、あまり面白いとは思いませんでした。本論と関係ない(あるいは冗長な)描写が多く、なかなか話が先に進みません。物語の空気や雰囲気はそれなりに伝わってくるのですが、肝心の内容がこれでは……。

ネットで調べたところ、本作はあまり良い評価を受けていないようです。読むとしたら次作以降からがよいという評価が圧倒的でした。まぁいいか。

ちなみに本作はアーヴィングの大学の修士課程の論文用に書かれたものだそうです。大学生が書いたにしては、なかなかのものだと思います。それにこの分量。彼の忍耐と努力が偲ばれます。その点はすごいと思います。
1.28(木)読了
「ホームレス中学生」で有名な麒麟・田村の兄の著書。
19歳で一家の長となった研一は、弟妹のために奮戦します。
実はこの兄、私の兄貴と同じ高校を卒業しています。年齢的にも近いため、ニアミスしていた可能性が高いです。そして、住んでいた場所もとても近い。どこかで田村家の人々と出会っていたのかもしれません。

それはともかく、長兄というのは大変だなぁと思いました。19歳が17歳の妹、15歳の弟の三者面談に行くなんて、あまり聞いたことがありません。他の母親に混じって懇談を待つのは、やはり気恥ずかしかったようです。

そしてびっくりしたのが、家族が解散する原因となった消費者金融への借金。これ自体はありがちなのですが、その保証人に未成年の息子がなっていたこと。本人は当然そんなことは知らないわけです。ある日突然バイト先にその筋の人が来て、黒塗りの車に連れ込まれます。途中、吉野家で牛丼を奢ってもらったそうですが、味など何も感じなかったそうです(そりゃそうだ)。
結局、大人の助けを借りて事なきを得ましたが、一歩間違えば……いやぁ、怖い。

多少の愚痴などの書かれていますが、総じて兄のすばらしさが感じられます。
「ホームレス中学生」とセットで読むと、面白さが倍増します。
1.26(火)読了
第29回小説推理新人賞受賞作の「聖職者」を含めた短編6編。
それぞれの短編が視点を変えて、一つの物語を多方面から見る形式になっています。文章は一人称。告白体、もしくは日記形式で書かれていて、臨場感にあふれる作品です。

どの短編も秀逸です。同じ場面を視点を変えて多数の人物が語っていますが、途中でダレることはありませんでした。基本推理小説ですが、ホラーの要素もあります。怖い倒叙小説といった感じでしょうか。

湊氏は実質的にこの本がデヴュー作です。現在までに3~4作の小説を発表しているようなので、早速、ぜんぶ図書館で予約していました。どれも多数の予約が入っていました。それだけ作品の質が良いということでしょう。

文章がきれいということも印象に残りました。流れるような文体というのでしょうか。ちょっと篠田節子氏に似ています。久々にヒットの小説でした。
1.24(日)読了
ボクシング漫画。初め~芦川先生の見合いまで。
高校のときに一巻だけ読んだことがあります。「教師の感動した本」という題材で紹介されていたうちの一冊がこの漫画でした。その時読んだ感動をもう一度、ということで図書館で二冊借りて読んでみました。

おもしろい、そして感動する。それだけでもう十分です。6回戦ボクサーの父とその息子元気。父と母は身分の違いから結婚を許されず、駆け落ち同然に結婚、生まれた子供が元気。病弱な母親は死んでしまう。父親一人で元気を育てていたが、31歳の時にボクサーとしてカムバック。8回戦まで上り詰めるも、後の世界チャンピオンとなる17歳のボクサーと戦い敗北。直後、遊園地での死……。泣けます。

これでもかといったように元気に不幸が襲い掛かりますが、元気はめげずにボクシングの練習に励みます。おじいちゃんとおばあちゃんに引き取られて、とても良い子といった感じです。
担任の女性教師(美人)につれられて、町でひとつあるボクシング練習所へ。そこで出会ったのが、後に元気のライバルになるであろう小学校5年生のボクサー、そして、元気の父親を死に追いやったボクサーと戦って負けた強いボクサーだった(ややこしい)。先生はそのボクサーを好きなようだが、このボクサー、負けたことに悲観して酒びたりの毎日。

と、一昔はやったストーリーが続きます。
でも面白いです。感動します。読んでみてください。お勧めです。
1.23(土)2読了。
1996年に出版されて、いちやくブームを巻き起こした「バトルロワイアル」。中学生が無人島で殺し合うという設定と残酷な描写から、応募した某新人賞では1次審査で落とされたそうです。

文章は稚拙です。会話もぎこちないし、メリハリもきいていない。読みながら、ここの箇所はバサッと削除したほうが作品的にはよくなる、と何度も思いました。「嵐が丘」を読んだときと同じような思いです。もしくは山田祐介の「リアル鬼ごっこ」、あるいは「スイッチを押すとき」(さすがにそこまでは酷くないが)。

問題はたくさんありますが、大きな破綻もなく400字詰めで1332枚もの作品を書き上げたのは、すごいと思います。普通なら途中で挫折するような分量です。なにか執念のようなものを感じます。

ラストは、ありがちですが、それなりに希望を持てる内容になっています。映画「キューブ」とは違って救いがある。ここで、「そして誰もいなくなった」となったら、暗くて後味の悪い本になったでしょう。よかったよかった。

本書は2読目です。最初に読んだのは今から10年くらい前だったけど、その時のほうが面白いと感じました。2度目だからかな? それとも本を見る目が養われてきたからか? まぁ、面白かったからもう1度読み直したんだけどね。


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