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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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10.20(月)読了
奥田英朗の長編小説。
町工場の親父とヤクザまがいの少年と女性銀行職員の3人が物語を紡ぎあげます。
最初はバラバラに物語が進行していますが、後半から徐々に接点が出来あがっていき、最後で3者がくっつくという設定。

主人公役の3人は3人とも、それぞれ「最悪」な状況に陥っています。
そのなかでも特に町工場の親父さんの悲惨度はかなりのもので、読んでいてハラハラするやら同情するやらで、気がつけば物語にどっぷりつかっていました。

奥田氏の小説は中短編しか読んだことがありませんでしたが、この長編を読んで、やはりただ者ではないと思いました。おもしろい。
特に描写力はかなりのものだと思います。工場仕事の様子などはかなり具体的で、ぐいぐいと引き込まれます。
貴志裕介にちょっと似ているかな。『黒い家』を思い出しました。

最後の設定は少々ご都合主義的なところもありますが、エンターテイメントとしては十分楽しめるものとなっています。

2段組400ページと少々長い小説ですが、読後感は良いです。
この内容と重量感にもかかわらず、この本って何の賞も受賞していないんですね。獲ってるのかな?
個々人的には、直木賞候補になっていても不思議ではないほどの出来だと思います。
大満足の1冊でした。
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