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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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9.30(水)読了
妻が死んだ。寝ずの番をしながら、学生時代に法学を学んだ主人公はふと思った。この死体は誰のものなのだろうか。この死体を誰かが犯したら、死体損壊罪などの罪になるだろうが、夫がそうした場合にも罪に問われるのだろうか。死亡届の後の火葬は夫でなくともできるという。夫に知らない間に妻が火葬にされても、法的には何の罪にも問われないなど、おかしいのではないか。死んだ妻は、いったい誰のものなのだろうか……?
そして夫は、死んだ妻の服を脱がせてゆき、昂ぶった欲望を満足させる。妻は自分のものだ、他の誰にも渡さない、と。

法律では犬猫などは「物」として扱われます。生きている死んでいるに関わらず「物」。子猫を拾ったら拾得物、飼い犬を殺したら毀損罪が適用されます。しかし人間は死んでも「物」にはならない。しかし火葬して骨になったら「物」に変化する(と思う)。人間とはいったい何なのか、生命とはいったいなんなのか。
根本的な問題と法律の不備などを鋭く指摘した作品です。妙な臨場感がありました。
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