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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.24(木)読了
第17回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。2010年度の大賞ですね。
元の作品名が「ああ人不着絹」ということで、「ああ野麦峠」のオマージュということが分かります。私は「ああ野麦峠」は読んだことがないのですが(正確には1ページ目で挫折してしまいました)、雰囲気的にはこんな感じなんだろうな、というのが第一印象でした。

昭和初期中期に東北の村に人買い風の男がやってきて、大金でおぼこ娘を工場へ連れて行く。12歳から15歳の娘だそうです。工場へ連れて行かれた娘たちは、3度3度の食事とお風呂、たっぷりの睡眠をとらされ、徐々に超え太っていく。まるで天国のような生活ですが、ぐーたらな生活に娘たちはやがて飽き飽きしていきます。そして食事の前には怪しげな丸薬を飲まされます。やたら苦い薬です。

やがて娘たちは蚕の飼育を始めますが、その蚕が特別製で、とても上質な糸を紡ぐのだそうです。薬アレルギーを起こして別邸に隔離された主人公の娘は仕事に出られなくて、退屈で退屈で賞がありません。仲間たちが毎日のように顔を見せてくれていましたが、最近ではそれもなくなってしまいました。どうしたのかなと工場に忍び込みますと、そこでには大きな繭がいっぱいあります。人型の繭が……。

正統派の古典ホラーといったところでしょうか。ストーリー展開、ラストまで予想ができてしまうのが難ですが、筆力のある良作だと思います。途中で若干中ダレしてしまったので、ストーリーにもう一山作ったらよかったと思いました。

 

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