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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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12.22(月)読了
食品添加物の専門会社に勤務していた著者が、退職後にまとめた添加物の危険性を警鐘した本。
安部司氏は元々、食品添加物のトップセールスマンだったそうですが、その添加物の危険性に気づいて会社を退社したそうです。
食品添加物は1500種類以上もあるそうですが、彼はそのほとんどの特性や特徴を暗記していて、食品を食べるだけでどんな添加物が加味されているのかわかる「添加物利き」でもあります。

この本を読んだら、食品にはあらゆる添加物が使われているということがわかります。添加物を使用してない食品はほとんど無いか、あってもとても高価なものです。
健康には変えられないと高価な食材を購入するか、家計を考えて安い食材を購入するかは個人の自由だけれども、添加物表示はすべて記載することによって、一般消費者がきちんと選択できるようにすることが大切、と氏は語っています。

近年、食物関係の汚染や誤表示問題が取りざたされています。このようなものはもはや、毒物を提供しているにすぎないような気がします。
添加物表示もいろいろとからくりがあって、ガムなどの小さな食品には努力義務のようなものが付けられるだけであったり、店舗で料理しているお惣菜などは表示免除などの規定があります。
いやはや、なにを信じればいいのか……。

もっとも確実な方法は自分で野菜などを無農薬有機農法で栽培して食することですが、これは難しい。となると、表示をちゃんと見て、少しでも添加物の数の少ないものを買うしかありません。
アスパルテームやサッカリンなど、赤玉、黄色なんとかといった添加物食品は購入しないこと、など最低限の知識も必要なようです。
どこぞの主婦雑誌によく掲載されている、安いものに飛びつくだけが「やりくり上手の賢い主婦」というわけではなさそうです。知識も重要ということですね。
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12.19(金)読了
第二次世界大戦に徴用された世界最高峰の豪華客船「弥勒丸」。赤十字の使命により、日本軍の東南アジアの捕虜収容所に量米などを運ぶ。見返りは航行の安全と、その他日本軍の物資の輸送を事実上許可するというものだった。そして弥勒丸には山下陸軍の金塊を大量に積み込み、日本に持ち帰るという作戦を立てる。ところが、帰国途中で弥勒丸はアメリカの潜水艦により沈められてしまった。金塊とともに。

それから50年以上たって、弥勒丸の引き揚げ作戦が、街金社長の主人公に持ちかけられる。依頼人は大人風の台湾人。依頼はつまり、彼の金主のヤクザのドンに渡りをつけ、100億の引き揚げ費用を借りつけるというものだ。
主人公たちが裏を探りながら上に話を持ちかけると、思いもかけぬほど大きな仕事だということがわかる。弥勒丸撃沈には、大きな裏があったようなのだ。

有名な「シェエラザード」の上巻ですが、なかなか読み応えがあり面白いです。
筆致も申し分なく、下巻にも期待が持てます。(下巻に続く)
12.17(水)読了
奇跡的な出来事に遭遇した人々を紹介している。2読目。
短編小説のネタ探しとして読んでみたのですが、世の中にはいろいろな目に遭っている人がいるなぁと思いました。
何度も落雷にあって7度目に死んだ男性。拳銃自殺を図り6発も自分に撃ったにもかかわらず死ねなかった男性。海で溺れて13日もエイに乗って大海原をさまよったあげく、助かった少年。こういう話は大好きです。

バーミューダトライアングルや第一次大戦で英軍を救った天使の部隊、雲とともに忽然と消えた英軍、こういった世界のミステリ体験は昔よく読みました。胸を弾ませながら読んだものです。ミステリサークルがいたずらで作成されたと知ったときは、がっくりきたものです。

結果、小説のネタは見当たりませんでした。やはり自分の頭で考えて書けということでしょうか。
12.16(火)読了
FBI捜査官という触れ込みの同氏の預言書。1997年時点で透視した結果を本書に収録しています。
さて、FBI捜査官は自分の身分や年齢、職業などを一般にさらしてはいけないそうです。日本でも警察の捜査官や公安職員はTVに出演したりしませんね(北芝健は例外です)。それと一緒です。
つまり、FBI捜査官という触れ込みを使用する時点でアウト。第一彼のプロフィールを見ると、元t軍属ということは書かれているが、FBIに所属していたとは書かれていない。これは・・・・・・。

というつっこみは置いといて、内容にいきます。透視結果は震災、経済、戦争、エネルギー問題等々、多岐にわたっています。
透視内容を知りたい人は、本書を読んでくださいということで。的中率などの情報は一切記載されていません。イラク戦争などは的中させたそうですが、これは一般人でも予測できるものなので・・・・・・。

1000年先の世界を透視したものが書かれていますが、これが一番興味深かった。エネルギーは無限にあり、その結果、人類は生存のために仕事をする必要がない。まさにパラダイスです。
しかし、あくまでそれは1000年後。現在の人類はみんな死んでいます、残念ながら。

近未来の予言としては2010年のものなど多数ありますが、予言というより予測の範囲を出ていないような気もします。
『2015年にインターネットを使用している人類は630万人』などというものもありますが、2008年現在でも数十億人が使用しています。これは桁外れのハズれかた。経済も2008年は好調とのことですが・・・・・・。

というわけで、あくまで読み物として楽しむのがいいでしょう。ファンタジーとして読むと楽しい本です。
12.15(月)読了
ブラジル人予知能力者、ジュセリーノの予言集。2007年10月時点での予言。
この本の最終章には、日本や世界の近未来についての予言が書かれています。それによると、

・遺伝子組み換え食料は人類に害を及ぼす。10年後にはその問題が発見される。
・2010年、日本人の平均寿命は男女とも73歳になる(現在は79歳)。
・日本の消費税は35%にまで達する可能性がある。
・2010年にアメリカ株式市場が崩壊。その後3年は世界経済に影響(←2008年現在のことか?)。
・2010年、日本のタバコ一箱は10米ドル(1000円程度)。
・日本の地価はますます上昇する。2041年以降には下降しはじめる。(←現在下降していますが・・・・・・)
・日本は2010年までに経済成長の波が訪れる。その後6年間は米市場崩壊で危機に陥る。
・富士山が8年以内に噴火。
・2016年、日本でオリンピック開催(東京か?)。
・2018年、日本、またはイギリスでワールドカップ開催。
・2010年、ワールドカップで日本は予選敗退。監督は岡田監督ではない。
・日本人ノーベル賞受賞者は2015年以降になる。早まる可能性もある(2008年、多数受賞した)
・2009年1月25日、大阪神戸でM8.9の大地震が起こる。

などなど。あくまで予言ですからどうこういうつもりはありませんが、トンデモ的なものも含まれています。あと2年ちょっとで平均寿命が6歳も縮むとは、ちょっと考えづらい。一気に一千万人の日本人が死ねばそうなるかもしれませんが・・・・・・。
タバコ一箱1000円はありうる。日本でオリンピックは可能性低いかな。ワールドカップは2002年にやったばかりだし。
大きなつっこみどころは日本人ノーベル賞受賞者ですが、今年の大量受賞は見越せなかったようです。

的中率90%を誇るというジュセリーノ氏ですが、どうも大風呂敷かと。書籍等の予言をざっと見るだけでも、的中率10~15%程度だと思います。
仮に本当に90%的中させていたら、国家が絡んでくるか、どこぞの組織に拉致されているでしょう。そして株式相場を予知させたり、うんたらかんたらさせたり、利用価値は絶大です。とても無事に生存できているとは思えません。

ちょっと辛口コメントかな。しかし警鐘という意味では有意義なアドバイスだと思います。『センス・オブ・ワンダー』に通ずるものがあります。
予言やスピリチュアルという言葉にアレルギーのある人は、環境問題を論じた本と捉えて読むといいでしょう。
12.12(金)読了
辛酸なめ子がさまざまな職業を一日体験して、女を磨くというエッセイ集。あいもかわらず、美しくも丁寧な文章でつづられています。

なめ子氏、実は「片付けられない女」のようです。自宅のマンションの様子を写真で公開していますが、すさまじいほどの週刊誌やら何やらの山。あそこまでたまると、片付ける気も失せるのだろうなぁ、と。
人ごとではありません。かく言う私も、2、3年前までは部屋がそのようなありさまでした。本を読んでも本棚はいっぱい。面倒だから部屋の隅に置くことにする。月日の経過とともに山が築かれ、気づけば2、300冊たまっていたという心温まる思い出があります。
ブックオフで売却したら7000円余になりました。お疲れさまでした。

日々の掃除はこまめにやりましょう、ということでしょうか。
教訓をありがとう、なめ子さん。

12.10(木)読了
村上春樹のデビュー作。群像新人賞受賞。
「完璧な文章などない……」から始まる文章は、いかにも村上氏らしい出だしです。主人公は大学生で、鼠という青年と「ジェイズ・バー」でビールを飲む。鼠、ジェイズ・バーといえば、三部作の主要な登場人物であり、社交場でもあります。

他の作品と同じように女性が出てきて、主人公の男性と仲良くなり、取りとめない会話を交わす。現在の村上作品とほぼ同じつくりです。
文章全体から虚無的な雰囲気が漂っているのも、村上作品ならではです。こうしてみると、どうも彼はデビューの頃から自分のスタイルというものが完成しているような気がします。たまに初作と2作目がまったく違う作品の人がいますが、村上氏にはまったく当てはまらない。

そういえば今日はクリスマス。
クリスマスの日に村上氏の作品を読むのもいいものです。どちらもなんとなく非日常だから。

12.10(水)読了
社会心理学教授のモリーと教え子との対話。
大手新聞社勤務の教え子はモリーが重篤であることをとある番組を見て知り、16年ぶりに会いに行く。モリーはADLという筋力の衰えていく病気だった。下半身から衰えていき、肺に達したときが彼の死ぬときだ。
モリーと教え子は人生についてさまざまなことを話し合う。もっとも大切なことは愛し合うことだ。

というような話。これは実際にあったノンフィクションの話のようで、モリー先生の写真などが挿入されています。
感動して泣ける本とのことで読んでみたのですが、泣けませんでした。モリー先生の話には頷けるところが多く、感動はしましたが、どこか道徳の教科書を読んでいるような気になり、正直、しらけてしまいました。

この手の本は、おそらく読むタイミングが重要なのでしょう。読むべきときに読めば、とても感動して、人によればバイブルにもなるような本かもしれません。
良い本であることは確かです。モリー先生はきっと、天国で暮らしていることでしょう。
12.8(月)読了
日常エッセイ。辛酸なめ子氏のエッセイは初めて読みましたが、妙にしっとりした味のある文章を書く人だと思いました。
それにしても、辛酸なめ子。すごいペンネームをつけたものです。夏目房之介氏に通ずるものがあります。ないか。

エッセイのためか、さまざまな場所に出かけて取材をしているようです。池袋防災館やルールも知らないプロ野球の試合など(それも最下位レースを争う2チームの試合であるところが泣かせます)。
内容はまぁまぁですが、この人の書く文章は好きです。なんとなく高貴な雰囲気が漂っています。もしかしたらなめ子さん、どこぞの令嬢なのでは……と思ってしまうほどです。

本には自分の写真も掲載されているところに、自信のありようが見て取れます。
林真理子だってやらないことを、やってしまう。素敵です。
12.7(日)読了
出会い系パーティ業の主人公と暴力団、絵画商、チャイナ詐欺団の4すくめで10億円を奪いあうというスピード感溢れる小説。青春小説か?

主人公格の3人はいずれも個性が立っている。三田総合商社の三田という人物は、名前から創業者一族ということをちらつかせて良い目を見ているが、名前が同じだけのダメ社員。ただし、超記憶力素質者。もう一人の女性は超お金持ちの家に生まれた令嬢だが、離婚した父を嫌い、絵画詐欺で10億儲けようとしている父から10億そっくり横取りしようとしている、とか。

ひょんなことから3人が出会い、10億円を巡ってさまざまな人物が動く。アーチャーの『百万ドルを取り戻せ』に似ていないこともない。
終盤はカーアクションがあるのですが、スピード感溢れる内容になっていて、読んでいてすがすがしかった。

奥田書籍ランキング的にいえば、
1.『最悪』
2.『サウスバウンド』
3.『真夜中のマーチ』『家日和』『ララピポ』
……『マドンナ』『ウランバーナの森』……『東京物語』(←最下位、面白くなかった)
かな。伊良部一郎シリーズは全て面白いので別ランク。

奥田氏の本はエッセイをのぞいてほぼ全て読んでしまいました。ちょっと残念。
次回作はどのような本でしょうか? 出版されたらすぐに読みたいと思います。


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