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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.7(火)読了
大好きな作家、貴志氏の最新作。といっても刊行から1年以上経過しています。図書館で予約して数ヶ月、ようやく手にすることができました。

わくわくしながら捲ったら、1ページ目からちゃちい設定。思わず読むのを止めようと思いました。
ある日目覚めた青年は、半ば記憶喪失状態で、周囲には半分妖怪じみた生物(もとは人間)が18体。そして自分は赤の王将で、心の中からは「戦え、戦い続けろ」という声が聞こえる。おまけに主人公の青年は奨励会3段のプロ棋士の卵という設定。青年は、18体のそれぞれ特色ある能力を備えた生物を、将棋、もしくは戦略シミュレーションゲームの要領で操り、敵を倒していくという……子供だましにもほどがある。

最初は放り投げようと思いましたが、このゲームに突入するまでの設定が「断章」として書かれており、それを読むことで何とか読み進めることができました。「新世界より」もそうだけど、こういう子供じみた設定、ゲーム的なものを書きたかったんだろうね。

ゲームはともかく、奨励会青年同士の三角関係的な現実世界の物語に興味を持ちました。将棋の世界の厳しさもリアルに書かれており(取材した後が見られます)、なかなか面白かったです。
結局、奨励会青年の主人公は敵(奨励会の仲間)にゲームで勝ちますが、現実世界の将棋対決では彼に負け、引退。彼はプロ棋士になるというなかなか悲惨な話です。では、ゲームで勝ったのは何を意味していたかというと、つまり……ネタばれになりますが、彼を殺害してしまったというオチでした。この辺、かなりホラーかつ「青の炎」のラストに近いものがあります。最後の最後はかなり悲惨な終わり方です。いやー、さすがです。
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